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坂佐井 馨; 岸本 牧; 荒 克之
MAG-92-234, p.75 - 81, 1992/11
完全反磁性体を用いた電流ダイポールの指向性検出方法について検討し、完全反磁性体としてビスマス系高温超電導体を使った実験を行った。考案した体系は、マグネトメータを2枚の超電導板ではさんだもので、マグネトメータが感度良く検出できるのは、2枚の超電導板の延長面にはさまれた領域に存在し、かつ板面に垂直な向きをもった電流ダイポールである。実験の結果、平行平板に垂直なダイポールと平行なダイポールが混在している場合、測定値の空間分解能(半値幅)は、平板に垂直なダイポールのみしか存在しないとしたときとほぼ同じになった。すなわち、考案した体系を用いると、平板に垂直なダイポールのみを空間的に検出可能であることがわかった。
荒 克之; 岸本 牧; 坂佐井 馨
MAG-92-81, p.47 - 60, 1992/03
完全反磁性体を磁界測定場へ持ち込んだ場合の磁界の変化について、完全反磁性無限平板を例として検討した。その結果、磁界の発生源と磁界測定点間の距離に比較して、磁界測定点と完全反磁性板との間の距離が短くなるにつれて磁界変化の影響が大きくなることが確認できた。磁界発生源としてシングル電流ダイポールを考えたときの磁界とその変化を計算し、具体的なイメージを明らかにした。その結果、反磁性板に垂直な成分は反磁性板近傍で弱められ、逆に平行な成分が強められる様子が明らかとなった。生体磁界計測において高温超電導体による磁界シールドの利用が検討されているが、磁気シールドが小型の場合はこのような磁界変化の影響を無視できなくなるので注意を要する。
坂佐井 馨; 荒 克之
日本応用磁気学会誌, 16(2), p.337 - 342, 1992/00
完全反磁性体/磁界センサ体系を用いて、電流ダイポール又は磁気ダイポール等の磁束源を選択的に検出する方法を考案した。これは、完全反磁性を利用してある領域からの磁束を分離・集束させる方法である。銅のような電気良導体は、それが高周波磁場中におかれるとその表面に渦電流が流れ、あたかも反磁性体のようにふるまう。このことを利用して、銅及び高周波電流ダイポールと高周波磁気ダイポールを用いた模擬実験を行った。その結果、考案した体系は磁束源の選択的検出に有効であることがわかった。
坂佐井 馨; 岸本 牧; 荒 克之
Nonlinear Phenomena in Electromagnetic Fields, p.85 - 88, 1992/00
ある領域から磁界を選択的に検出するため、完全反磁性体と磁束センサからなるハイブリッドシステムを考案した。これは、横断面が開ループとなった完全反磁体の円筒に磁束センサを設置したものである。このシステムによって感度良く検知できる磁束源は、円筒によって切りとられる領域に存在し、かつ円筒軸に平行な向きをもった磁気ダイポールである。システムの有効性を調べるため、完全反磁性体としてビスマス系高温超電導体を用いた実験を行った。その結果、磁束源の近傍ではセンサの実効的な感度が増大することがわかった。実験体系をさらに整備すれば、磁束源の選択的検出が可能と考えられる。